SSSS.GRIDMANを目の色から考察する
『SSSS.GRIDMAN』最終話が放送されましたね。
作品を通じて色々と意味深なシーンが多く、特に最終話は実に考察のしがいがありそうです。
そして、先日の生放送で監督が目の色に意味があるようなことを言っていたので、全力で目の色からSSSS.GRIDMANを考察します。
目の色まとめ
SSSS.GRIDMANにおいて目の色は大きく分けて3つに分類できます。
・青チーム
響裕太
内海将
宝田立花(ハイライト赤)
なみこ・はっす
新世紀中学生
その他一般人のほとんど
アンチくん(12話、右目のみ)
・赤チーム
怪獣
新条アカネ
アンチくん
アノシラス
・黄色チーム
響裕太(グリッドマン状態)
立花ママ
アレクシス
問川さきる
問川パパ
目が青色の人たちは一般人、神である新条アカネによって作られた人々。通称「レプリコンポーネント」。グリッドマン側の存在。
目が赤色の人たちは怪獣。新条アカネ側の存在。
目が黄色の人たちは外の世界から来た存在。新条アカネによって作られていない特異的な存在。
簡単にまとめると、このようにカテゴライズできるでしょう。
いくつかの疑問
目の色から3つグループにカテゴライズすると、不思議な点や矛盾点が生じます。
それらを一つ一つ見ていこうと思います。
①新世紀中学生の目はなぜ青色なのか。
新世紀中学生はグリッドマンの一部なわけですから、外部から来た存在であるべきなのです。なのに、目は黄色じゃない。(ボラ―だけはハイライトが黄色だけど)
目が青っていうことは、一般人であって、新条アカネに作られた人物であるということです。しかし、新世紀中学生が新条アカネによって作られたとは考えがたい。
主人公である響裕太は、やっぱり元はただの響裕太であって、あの世界において偶然グリッドマンに乗り移られただけの存在で、だからこそ、最初の方は目が青色だったのは理解できる。
そして自分がグリットマンであることを自覚したときに、目が黄色に変化した。
もし自分がグリットマンであることを自覚することが、目が黄色になる条件だったとしても、新世紀中学生たちは(おそらく)最初から自分がグリッドマンの一部であったことを理解しているわけで、だったら目が青色なのはおかしい話。
SSSS.GRIDMANより引用
第5話『挑・発』では、移動のシーン(つつじ台駅の外から出ると眠ってしまう)で一瞬回想が入ります。グリッドマンらしき者が何者かに刺され、その後、星が6つに散らばる描写です。
星が散らばる描写は1話にもあって、6つの星が何を示しているかを考えると、もともとグリットマンだったのが分裂した=グリッドマン本体+新世紀中学生4人+もう一人に分かれたと考えられます。
もう一人がアレクシスなのか、立花ママなのか、もしくは別の誰かなのか。僕にはわかりません。が、もともとグリットマンだったのが分裂したと考えると、アレクシスである可能性はまずないでしょう。なのでおそらく立花ママであると考えるのが妥当かと。
それはさておき、とにかく新世紀中学生たちはグリットマンの一部なのだから、外部からやってきた存在。やはり目が青色であるのは非常に度し難い。
この矛盾を解決するための仮説は以下。
①そもそも「外部からやってきた存在=目が黄色」という仮説が間違っている
②グリッドマンが分裂したのは新条アカネの作用によるもので、新条アカネの手が加わっている=新条アカネによって作られた存在である。といえないこともない。
①に関してはこれを認めてしまうと今までの説明が全て崩壊するので却下。
②は他にこれくらいしか考えようがなかったです。たしかに、もともとの『電光超人グリッドマン』において新世紀中学生は「アシストウエポン」と呼ばれる武器でしかなかく、SSSS.GRIDMANに登場したときのように人の形はしていなかったわけで。
彼らは本来外部からやってきた存在ではあるけれども、新条アカネの世界にやってきて初めて人の形で存在している。すなわち、新条アカネによって作られた存在であるともいえるわけです。
だからこそ、彼らの目は青色なのでしょう。そしてさっきも書きましたが、ボラ―の目のハイライトは黄色です。他の3人は目が小さくて分かりませんが、少なくともボラ―の目が一部黄色であるということは、彼は外部からやってきた存在であるし、そして同時に新条アカネによって作られた存在でもある、といえるのではないでしょうか。
②響裕太の目の色の変化
初期の裕太の目は青色です。
それは当然な話で、もともと裕太はただの一般人で外部から来た存在では全くもってないわけだから。言い方は悪いかもしれませんが、グリッドマンが乗り移っただけの乗り物なのです。
が、彼がグリッドマンそのものであることを自覚したとき、彼の目は黄色に変化します。
これもまた当然な話で、この瞬間、響裕太≒グリッドマンという式が成り立ちます。
響裕太はグリッドマンそのものなのです。まぁまだ完全体ではないのですが。
SSSS.GRIDMANより引用
先ほどの新世紀中学生は、もともとはただの武器だったのに、新条アカネの手によって人として存在している者たちでした。
しかしグリッドマンに関して言えば、グリッドマンそのものは新条アカネに一切干渉されておらず、ただその世界にもともといた「響裕太」という少年に乗り移っただけの存在です。
だからこそ、彼は純粋に外の世界からやってきた存在で、目は黄色であるのが当然なのです。
同様に、アレクシスも新条アカネを利用するために外部から侵入してきた宇宙人であって、彼も純粋な部外者といえます。なので彼の目が黄色であるのも納得がいきます。
③立花ママは何者か
目が黄色である存在のうち、明らかに特異な立花ママ。
彼女の正体は一体何者なのか。
SSSS.GRIDMANより引用
あくまで推測に過ぎませんが、飛び散った星の一つがこの立花ママであったと思います。彼女の発言などを見ていると、どこか何か知っていそうというか、すこし俯瞰でしゃべっているような印象を受けます。
彼女がグリットマンの一部であったとも考えにくいですが、外部からやってきた存在であるのはまず間違いないかなぁと。
受け売りですが、彼女のつけている特徴的な耳飾りは『宇宙パトロールルル子』に登場する「ミドリ・セイブザワールド」の第三の目と同じらしく、CVも新谷さんで同じだそう。
立花ママは実は「ミドリ・セイブザワールド」で、新条アカネの電脳世界をパトロールするためにやってきた?
僕は『宇宙パトロールルル子』を観たことがないので何とも言えませんが。
④問川は外部の存在なのか
新条アカネに早々と退場させられた問川さきる。
彼女の目を見ると黄色なんですよね。色の感じも非常に立花ママとかに似てる。問川パパも同じく黄色です。
他に同時に退場させられた4人はというと、別に黄色くないんですね。問川家だけが特別のようです。
じゃあ彼女は外部の存在かと聞かれると、真実は僕には分かりません。普通に考えたら彼女はただの一般人だから、外部の存在ではないでしょう。
強いて一つ特殊な点を挙げるとすると、彼女に関する小説が一つあるようです。
→https://ncode.syosetu.com/n3113el/
『中、見ないでよ』っていう、小説家になろうに昨年投稿された作品です。
彼女について、僕「米澤 喜孝」視点で語られています。誰だおめぇ。
この小説はSSSS.GRIDMANの前日譚。新条アカネの電脳世界で語られたものなのか、もしくは現実世界で語られたものなのかは微妙なところ。
小説になっている人物はもう一人いて、古間亜子視点の『私の知らない他校の制服』という小説もあげられています。
で、これらの小説が現実世界の話だと仮定します。
注目するのはグリッドマンのED。このEDは背景が実写であることからも分かるように、現実世界の学校生活が描写されています。
そして、EDに登場する人物に注目してみます。はっきりと登場するのは、立花、アカネ、なみこ、はっす、古間亜美、ラモだけです。
問川さきるは登場していないんですね。だから彼女が現実世界に存在したという証拠はありません。かといって彼女が現実世界に存在しないって分かったわけでもないのですが。
まぁこれはただの推測に過ぎません。
SSSS.GRIDMANより引用
すこし話が逸れますが、これは2話のOPで映った集合写真です。問川やバレー部の人たち、そしてアカネがいません。
話の流れ的に考えれば、怪獣によってバレー部5人が殺され、存在が消滅したことにより集合写真も書き換えられたということになるでしょう。
じゃあなんでアカネがいないのかというと、①欠席している②フィクサービームによって世界が修復された後に撮られた集合写真である
という可能性が考えられるわけですが、まぁ後者でしょうね。
2話に挿入された写真なのに、実は最終話後の世界だったっていうね。
フィクサービームをもってしても、消えてしまったレプリコンポーネは修復できなかった。また、新条アカネは元の世界へ帰った。
この写真はそういった背景から生まれた写真なのでしょう。
⑤立花の目の色
立花の目は青色です。が、ハイライトは赤色で描かれています。
SSSS.GRIDMANより引用
これにはどういった意味があるのでしょうか。
そもそも青色の目は、新条アカネによって作られた存在「レプリコンポーネ」の特徴。赤色の目は、怪獣、新条アカネ側の存在の特徴です。
もちろん立花はグリッドマン同盟を結んでおり、グリッドマン側の存在なので、ベースは青色です。
しかし、彼女には特別な背景があります。それは、新条アカネを好きになるように新条アカネの怪獣から作られた存在であるということ。
電脳世界は新条アカネによって作られたものありますが、一人一人彼女がコードしているわけではないはずです。そうだとしたら、新条アカネが気に入らないような存在が出てくるはずがないから。
彼女は神ですが、万能ではない。彼女にとって気に入らないことが良く起こる。
そんな中で、立花は新条アカネによってコードされた人間であることはまず間違いありません。
立花はアカネの本当に望んだような行動をはしなかったけれど、立花はアカネのことをずっと好きであり続けた。これは揺るぎない事実であると思います。
立花はグリッドマン側でもあるけれど、アカネに寄り添い続ける存在でもあった。だから、彼女の目は青と赤の二色なのでしょう。
⑥オッドアイのアンチくん
12話のラストの方。
アンチくんが目につけていた包帯がほどけ、右目が青色になっていることが明かされます。
初期にアンチくんが登場したとき、彼は両目とも赤色でまぎれもない怪獣でした。
しかし最終話、彼の右目が青色に変化しています。
じゃあいつ変わったのか。おそらく、初めて彼がグリッドナイトとして戦ったときに変化したのではないかと思います。
「ほんとに君は失敗作だね」
彼は新条アカネに作られた怪獣ですが、失敗作だった。どう失敗作だったかというと、彼は中途半端だった。怪獣でもないし、人でもない。そんな中途半端な存在。
そんな失敗作の彼だからこそ、アカネを救うことができたのでしょう。
そして、目が青色になっていることからも分かるように、怪獣でも人でもなかった彼は、怪獣でもあり人でもある存在になったといえるのでは無いでしょうか。
新条アカネが元の世界へ帰った後も、その世界線は続いています。しかしもちろん、その世界線にはもうグリッドマンはいません。
でもその世界にはもう一人のグリッドマンがいるのです。そう、それがアンチくん。彼は第二のグリッドマンとして、この世界を守ってくれることでしょう。
まとめ
今回は、SSSS.GRIDMANを目の色から考察してきました。
まだ考察しきれていないところや、こじつけがましいところ、間違っているところが多々あると思います。そしたら教えて下さい。ぜひ議論しましょう。
もうちょっと詳しく考察したいと思ってるので、また考察記事を別に上げるかもしれません。とくにラストの実写シーンとEDの関係とか。
いやぁ、しっかしいいアニメでしたね。グリッドマン。できれば『電光超人グリッドマン』を見たうえでもう一回見直したいなぁと思います。